合成界面活性剤より人にも環境にも優しい純石けん分でコロナ対策

6月29日の段階で新型コロナウイルス感染による死者は世界中で50万人に達し、感染者数は1000万人を突破しました。

一時は終息していたように見えた日本でも東京を中心に新規感染者数が増加傾向で第二波が警戒されています。

厚生労働省は新型コロナウイルスの不活化に関して、人体にはアルコール、物の消毒には次亜塩素酸ナトリウムを推奨していますが、アルコールの不足や値段の高騰は依然続いています。

NITEは純石けん分など9種の界面活性剤で新型コロナへの有効性を確認

そのため、経済産業省は独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)に要請し、家庭や職場におけるアルコール以外の消毒方法の選択肢を増やすために様々な成分のウイルスに対する有効性評価を進めています。

この検証によって、次亜塩素酸水(電解型/非電解型)やジクロロイソシアヌル酸ナトリウムに加え各種界面活性剤にウイルス不活化効果が認められました。

表題の界面活性剤に関しては以下の9種類の有効性が認められています。

  • 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)
  • アルキルグリコシド(0.1%以上)
  • アルキルアミンオキシド(0.05%以上)
  • 塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)
  • 塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)
  • 塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)
  • ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)
  • 純石けん分(脂肪酸カリウム(0.24%以上)
  • 純石けん分(脂肪酸ナトリウム(0.22%以上)

当初は純石けん分以外の7種類の有効性が認められていましたが、6月26日の最終報告で純石けん分2種が追加で認められた形になります。

純石けん分(脂肪酸カリウム0.24%(1分))及び純石けん分(脂肪酸ナトリウム0.22%(1分))については、国立感染症研究所での検証試験において、いずれも99.999%以上の感染価減少率であった。

新型コロナウイルスによる検証試験結果詳細 

人体への危険性が危惧される合成界面活性剤や逆性せっけん

これまで認められていた界面活性剤は「合成界面活性剤」や「逆性石けん」と呼ばれるもので、人体や環境に優しいとはいえないものでした。

石油由来の合成界面活性剤については、以前から皮膚などに付着した際、界面活性剤の浸透作用が働いて体内に侵入する可能性が危惧されており、肝臓などの臓器に蓄積される事によって様々な悪影響を及ぼすと考えられています。

これら合成界面活性剤の多くはPRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律:化学物質管理把握促進法)でも人の健康を損なうおそれ(発がん性、変異原性、感作性など)又は動植物の生息もしくは生育に支障を及ぼすおそれ(生態毒性)があるものとして指定化学物質に規定されています。

塩化ベンザルコニウムなどの逆性石けんは消毒薬や柔軟剤、シャンプーなどの帯電防止剤として使われているものです。

>オスバンS-殺菌消毒液(逆性石けん液)-

グラム陽性や陰性の細菌に対しては有効ですが、結核菌や芽胞形成菌(ボツリヌス菌、ウェルシュ菌)、ウイルスなどには無効と記憶していたので、単体で新型コロナに効果があるのには少々驚きました(エタノールなどと組み合わせる事で相乗的な殺菌効果を発揮する)。

ただし、ヒトに対する毒性が強く誤飲すると様々な中毒症状を起こし、高濃度のものを摂取した事による死亡事故も起こっています。

NITEの有効性試験では0.05%以上で効果が確認されていますが、これくらいの低濃度でも角膜上皮障害を引き起こした事例があるので溶液の取り扱いには気をつけてください。

>日本医薬品添加剤協会|ベンザルコニウム塩化物

ヒトや環境にやさしい純石けん分

一方最後に有効性が確認された純石けん分(脂肪酸カリウムや脂肪酸ナトリウム)は合成界面活性剤に比べると洗浄力が劣るものの天然油脂を使用しているため生分解性に優れ、環境や人体への影響度が低く安全です。

安全な純石けん分の有効性確認が最後になったのは某巨大メーカーのラインナップに純石けん分のみを使用した商品がない事も影響しているのではという話を他メーカーさんから聞きました。

純石けん分のみの商品は一次分解(界面活性効果を失う事)が早く人体への残留性が低いので小さな子供がいたり健康に気を遣っている家庭に支持されています。

【純石けん分と合成洗剤のミドリゾウリムシによる毒性実験】

【純石けん分と合成洗剤のカイワレ生長実験】

以上の理由から、界面活性剤を新型コロナウイルスの不活化に使用するならヒトや環境にやさしい純石けん分を主成分とした商品を使う事を推奨します。

界面活性剤で新型コロナウイルスを不活化する方法についてはNITEが以下のような資料を発表しています。

界面活性剤で新型コロナウイルスを不活化する手順

NITE資料

ただ、これに関して純石けん分メインの商品を販売している大手メーカーさんと話をする機会があったので聞いてみましたが、メーカーとしてはこの使い方で効果があるかどうかは言えないという事でした。

そもそもウイルス不活化を目的とした商品ではないので用途外の使用方法の効果については責任をもてないというわけです。これは全メーカーに言える事なので「自己責任」において使用しましょう。

とはいえ、消費者に確実な効果を示す事はできないものの、試験によって科学的に有効性が認められているのは確かなので効果があるのは間違いありません。

おすすめはシャボン玉石けんの「液体洗剤スノール」やミヨシ石鹸の「無添加 お肌のための洗濯用液体せっけん」。両方とも水と純石けん分のみでつくられており、成分の%が表示されているので使いやすいです(純石けん分だけでなく合成界面活性剤が入っている商品も多いので注意)。

これらの純石けん分は30%なので、だいたい30倍程度に薄めると約1%の薄め液ができます。

ウイルスを不活化するには脂肪酸カリウム0.24%以上、脂肪酸ナトリウム0.22%以上必要なので薄すぎると問題がありますが、濃すぎるぶんには問題ありません。

薄め液で対象を一方向から拭く→5分ほど置いてから水拭き→乾拭きでOKです。

現在新型コロナ対策に界面活性剤を使っている人は人体への危険性なども考慮して純石けん分の使用を検討してみてください。

新型コロナ対策以外の日常使いでも安全なものに切り替えていく事をおすすめします。

>無添加せっけん泡のハンドソープ-普通石鹸-