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【ハンドドライヤー=悪ではない】正しい知識を身につけよう

目次

Dysonの反論と互いの問題点

では話を”Evaluation of the potential for virus dispersal during hand drying: a comparison of three methods”に戻します。

企業から委託を受けているとはいえ研究結果として発表している以上、数値に間違いはなくAirbladeがウイルスを広範囲に拡散してしまうのは紛れもない事実です。

では、この研究結果に対するDyson側の反論ですが、まず大前提として高濃度のウイルスを意図的に手袋をした手に付着させ、その後に手を洗浄する事なく乾燥させるというありえない条件で行った研究の意味を問いました。

後は、本製品が短時間で手を完全に乾燥可能な事やHEPAフィルターを搭載している事、NSF(NSFインターナショナルとは米国ミシガン州アナーバーに拠点を置く非営利第三者認証・試験・規格開発機関であり、公衆安全衛生の分野で国際的に認められている)プロトコルP335認証をハンドドライヤーの中で唯一有している事などを示し、衛生面で全く問題がないと反論しています。

この調査が非現実的な条件下で行われているというDyson側の言い分は尤もなことです。日常生活でわざと手にウイルスを大量に付着させハンドドライヤーを使用する事などありえません。

より衝撃的な数字を示し驚かせたいという研究者側の考えも理解できない事はありませんが、このような研究は現実に即した形で行われるべきです。

ただ、Dyson側が示したその他の部分については、わたしたちにこの研究結果が誤りだと認識させるには不十分のように思えます(それらはDyson公式サイトに載っているレベルのものでこの研究結果への具体的反論になっていない)。

どちらの業界でも構わないので、現実的な条件(手を洗浄した後に乾燥させる)でハンドドライヤーがどれくらいの量のウイルスや細菌を拡散させてしまうのか、ペーパータオルを使用した場合とハンドドライヤーを使用した場合では具体的にどれくらい感染率に差があるのか(トイレなどでは元々いたるところに細菌やウイルスが付着している状況なので新たに拡散しても感染率にそれほど差がないのではという意見もある)などのデータを最低限示してもらいたいものです。

どちらを設置すればよいかはケースバイケース

ではハンドドライヤーとペーパータオルのどちらを設置すればよいのかですが、これはケースバイケースと言わざるを得ません。

様々なデータを総合すると衛生面ではペーパータオル、環境負荷やコスト面ではハンドドライヤーに軍配が上がると思います。しかしこれは整った環境においてです。

例えば皆さんは様々な施設のトイレでペーパータオルを使おうと思った時、空っぽだった事はありませんか、また廃棄されたペーパータオルがゴミ箱に入りきらずに散乱している光景を見た事はありませんか。

散乱したペーパータオル

ペーパータオルが空っぽなら手を乾燥させるという本来の目的すら果たせませんし、床に散乱した湿ったペーパータオルは細菌やウイルスの温床になります。これではとても衛生的とはいえません。

ペーパータオルを切らさないように補充し、廃棄されたペーパータオルや床、ゴミ箱の清掃などを短いスパンで行わなければ清潔に保つ事はできないのです。逆にいえば、それらをしっかり行えるなら間違いなくペーパータオルは最も衛生的な乾燥方法でしょう。

環境負荷やランニングコストを重視し、頻繁にトイレの清掃ができないような条件下なら間違いなくハンドドライヤーに軍配が上がります。

さらにハンドドライヤーは導入時のコストはかかりますが、非常に丈夫でなかなか壊れないようです。

一回出たらこれ壊れないんですよ。10年、20年前につけたものまだ使ってますからね。たとえば多店舗展開してるチェーン店だと新規開店もすればつぶすものもあるんです。そのとき使えそうなものを倉庫に入れておいて新しい店ができるときに使う。逆にこわれるとそのメーカーはだめっていうので売れないしそういう意味では難しいです。消耗品の方がいいですね

どうやったら早く乾く?ハンドドライヤーメーカーにきく – デイリーポータルZより引用

ただコスト意識が高すぎるばかりにハンドドライヤーを弱モードで使う施設を多々見かけます。これはコスト面以外では何もメリットがありません。

強モードでの使用に比べ弱モードは乾燥までに2倍以上時間がかかります。手をしっかり乾燥させないと細菌が増殖する上、利用者もなかなか乾かない事に不快感を示します。

もしメーカー側がコスト面のみをアピールし、弱モードでも大丈夫などと薦めてきた場合、その営業はハンドドライヤーに関する基礎的な知識すら有していない可能性があるので要注意です。

稀に場所的な問題で大きい音はNG(強モードは稼働時の音が大きい)という施設もありますが、その場合ハンドドライヤーの導入自体を見送るべきです。機械の性能を発揮できなければ意味がないですから。

結論としては極めて高い衛生管理が必要な医療施設や食中毒を引き起こす可能性のある飲食店では清掃を行き届かせた上でペーパータオルを使用する事をおすすめします。

それ以外の施設に関しては衛生面やコスト面、どれくらいのメンテナンスができるのかなどを比較衡量して決めればいいと思います。

メディアの情報を鵜呑みにせずに自ら考える

メディアは常にわたしたちに刺激を与えるような題材を探しています。ハンドドライヤーはいたるところに設置されている身近なものですから不安になった方も多かったと思います。

メディアが発信した情報の中には衛生管理のプロである医師の看板を使ってハンドドライヤーを批判したものもありました。

『医師がいうからには間違いないハンドドライヤーは不衛生で危険なものだ』と思うのも無理はありません。

しかしながら、日本には30万人以上の医師がいます。

ハンドドライヤーは不衛生だから使わないという医師もいればハンドドライヤーは優れた製品だから使うべきだという医師もいるのです。

さらに医師が語る事は全て正しいわけではありません。

医師の中には寄稿文に『トイレの中で細菌やウイルスが増殖する』などと書いている人もいるくらいです(ウイルスは他生物の細胞の中でしか増殖できない)。

医師や専門家が言っている事だから間違いないと思うのではなく、本当にそれは正しいのかと自分で考える事も必要なのです。

例えば『ハンドドライヤーはウイルスや細菌を拡散してしまうとメディアは発信していたけれど本当に全てのハンドドライヤーがそうなのか』と疑問に思ったなら調べればよいのです。

今はユビキタス社会なので誰でも簡単に調べる事ができますから。

ハンドドライヤーCrena1
ハンドドライヤーCrena2
ハンドドライヤーCrena3
画像:株式会社AirLabo公式サイト

メーカー説明によると、このCRENA(クレナ)は従来の『吹付式』ではなく『完全吸引循環式』を採用する事でこれまでのハンドドライヤーの問題点であった周囲に細菌やウイルスを拡散させる点を改善しているようです。

もしCRENAのメーカー説明に間違いがなければ、これまで導入に適さないと考えられていた医療施設や飲食店でも問題なく設置できる事でしょう。

このようにメディアの情報を鵜呑みにせずに自ら考え調べてみると新しい発見もあるかもしれません。