新型コロナウイルスの影響で医薬品のアルコール消毒剤が手に入らない日々が続いています。
コロナウイルスはエンベロープ(約80%のウイルスが持つ膜状の構造で、熱や薬剤によって容易に破壊される)を有するウイルスなので、アルコール以外でも塩素や界面活性剤などで不活化することは可能ですが、利便性を考えるとやはりアルコール消毒剤が欲しいところ。
そんな折、インターネット通販サイトなどで「アルコールジェル」や「ハンドジェル」といった医薬品・医薬部外品以外のアルコール除菌剤をちらほら見かけるようになりました。
その多くが中国製や韓国製。値段ははっきり言って安いとは言えませんが、アルコール含有量は60%や70%と効果が期待できる表示のものが並んでいました。
気になったのは販売店の中に医薬品や医薬部外品でないにもかかわらず手指への消毒効果を謳ったり、「コロナ対策」といった文言を堂々と掲げる店が多数存在していたこと。
薬機法(旧薬事法)によって、人体への効果効能を謳ったり、「消毒」や「殺菌」といった文言を商品説明に記載することは厳しく禁じられているのですが、おそらくそのあたりの知識は全くなく、売れれば何でもいいという考えをしているのでしょう。
>>新型コロナウイルス対策を謳う便乗商法(薬機法違反)に注意
とはいえ、現在は非常時なのでウイルスを不活化させるに足りる成分が配合され、なおかつ安全な商品なら人体に使用するのも仕方ない部分もあります。
アルコール除菌剤は同じように手指に使用されている次亜塩素酸水などと同様に効果は間違いなく安全性も高いのでグレーゾーンではあるものの今後もお店に入口などで見る機会があるでしょう。
ところが、最近これら海外製アルコール除菌剤に記載されている成分や含有量が虚偽の可能性があるという報告が多数上がっています。
YouTubeで検証動画などもアップされていますが、高濃度と謳っているにも関わらず匂いが同スペックの商品と全く違う、調べてみるとアルコールがほとんど含有されていないなどの内容です。
日本製ではまず考えられないことですが、マスクの前例もありますので、信頼できるアルコール剤を手に入れたい人はこれら海外製の商品には手を出さないことをおすすめします。
アフィリエイト目的の大手ランキングサイトなどが盛んに韓国製のアルコール剤を推しているので注意してください。
手指消毒用の商品の中では「ヒビスコール」「アルボナース」「ウエルパス」の3つが信頼実績ともに抜群なので早く再販されて欲しいところ。しかし、これらの商品は優先的に医療機関へと提供されているので一般の人ではなかなか手に入らないと思います。
そうなれば今後もアルコール除菌剤に頼る必要があると思いますが、できれば海外製の商品に手を出さずに日本製の商品を選びましょう(日本製と偽って販売している商品にも注意)。
アルコール除菌剤を購入する際は「エークイックpro」「エークイックforte」「アルタンノロエース」「アルタン78」「パストリーゼ77」など、信頼性の高い日本製の商品を探してみてください。
追記.
消費者庁が「アルコール71%配合」と表示、実際は5~30%程度だった韓国製のアルコール除菌剤の景品表示法違反(優良誤認)に対して再発防止命令を出しました。
同庁表示対策課によると、「水もタオルも要らないすり込み式の洗浄ジェル」とうたい、高濃度のアルコールが配合されているかのように表示していた。消費者からの苦情を受けたメイフラワーが検査し、消費者庁に報告した。商品やラベルは韓国で製造されたという。